自分らしさ

ご飯が食べたくてレンジで加熱した。

ちゃんと温まったか確認。

それをテーブルに置いて、席に着く。

食べるための準備はできた。

スプーンですくう。

でも、口に運べなかった。

なぜか食べられなかった。

自分でもよくわからなくて、

とりあえずご飯にフタをかぶせて、

その場を後にした。

こんなこと初めてで。

すごく混乱した。

身体「お腹が空いた」

心「食べたい」

頭「食べる準備をしよう」

こんな流れだったはず。

待たせすぎたのか、

心が急にどこかに行ってしまったようだった。

しばらくして、

身体・頭「何か食べないと気持ちわるくなるよー」

って言われたから、

もう1度挑戦してみた。

「食べなきゃ元気になれないよ」

って自分を励ましながら、

ほぼ無理やり口の中に突っ込んだ。

噛んで、噛んで、飲み込んで。

そんな中、ふと気づいたことがあって。

私、ご飯を食べる時は、

器のある一ヶ所に残りを集めながら食べる癖がある。

そこに自分らしさを感じて、涙が出てきた。

私、まだ私だ。

自分の意思に反して「はい」と言わされたり、

思うように身体が動かなくなったり、

元気を出したくても心が追いつかなかったり、

最近、自分が自分でなくなっていく感じがしていたのだろう。

普段から無意識にしていることに救われるなんて。

すごく不思議で貴重な経験をした。

自分とはどんな人間か、

もっともっと深く理解しておく必要があるな。

窮地に立たされた時、

いつもの自分ならどう考えるか、どう行動するか、

冷静に判断できるように。